Interviews
UNIVER-CITY SEND-AI 田中 ひとみさんインタビュー
- UNIVER-CITY SEND-AIとしてどのような活動に取り組んでいらっしゃいますか?
各地のUNIVER-CITIESのフォーラムや運営に携わっているうちに、地元仙台でも教育に関するフォーラムを主催できたらという思いから、UNIVER-CITY SEND-AIを立ち上げました。
わたし自身が中学生の時に不登校になり、その後在宅での学びからGUと出合ったのですが、「地球を、宇宙に浮かぶひとつの多様な学びの都志・大学」ととらえるUNIVER-CITYは、理屈で考えるとスケールが大きいけれど、実際は分野や場所に捉われなく、日々の暮らしの中で誰にでも開かれていて、自分が気づいたその瞬間から、日常がそのまま本質的な学びの大学になります。
そのような分け隔てない学びの延長で、各地のUNIVER-CITIESにシゲキを受けたり、地元で福祉・教育・アートなどの活動をしている方々と出合ってみたり。後にフォーラムが主催できるよう、同じような思いや課題、取り組みに共振できる人たちと出合うところからスタートしました。
- 中学校の時からの思いを暮らしの中で実現され、社会の中でも現実的に表されているということですね。
はい。UNIVER-CITY SEND-AIの「SEND-AI」は、「SEND(送る)」と、GUの学びのコンテンツでもある「BE」の「AI(アイ)」にかけているのですが、その場に集ったメンバーと可能性を探求しながら情報を共有したり…。その中で企画が生まれて、共創に発展することもあります。必要な時に、必要な人がUNIVER-CITY SEND-AIとして関われるように。「活動に取り組む」というよりは、「フィールド」です。
「AI(アイ)」を「SEND(送る)」という表現も含まったUNIVER-CITY SEND-AIということですね。
はい。そうです。
- UNIVER-CITY SEND-AIにとって、GUのミリョクというのはどういうところですか?
GUのミリョクは、EDUCATION FOR LIFE(EFL *GUが採用しているモデル)を基調に、各地域で課題に向き合い、探求・実践されている方々の生の声を聞けたり、ともに成長しようとする人たちに出合えることです。
そこで収録された動画やコンテンツ(GUのホームページにも掲載されています)を用いながら、地域で活動している人たちと集うことで、個々のプロジェクトの水脈がつながるというか、表現方法は違うけれど、根っこの部分は共通しているよね!と共鳴することができます。
それは、各地域のUNIVER-CITIESの取り組みや実績が基礎になって、目に見えて直接的な活動につながらなかったとしても、自身の中でその水脈を温めたり育み続けたりすることで、必要なタイミングで学びの率先力となったり、応用できたり、共創のための要素に触れられる、ということだと思います。
- では、GUでUNIVER-CITY SEND-AIとしても学べたことや、学んでいることは何かありますか?
わたしの場合、GUのコアの運営に長年携わらせていただいているので、そこから具体的な運営の仕方を学んだり、参考にさせていただいているのですが、UNIVER-CITY SEND-AIそのものの運営や学びとなると、まだまだこれから…と思う部分が多いです。
GUは「プラネタリィな社会」だとか普遍的なテーマが多いので、それまでそのような考えに触れたことのない方々にも伝わるような言葉をコアメンバーで出し合ってきたのですが、そのようなプロセスを経た上で、今度はそれを、足元の地域でどのように活かしてゆくのかが大きな学びになります。
自分の中に無理があると、足が竦んで動きがストップしてしまう。だからこそ、EFLの「充ち足りた生」の”中心が豊かである”というところに意識を置き続けながら、動けないときも、水面下で継続していくことは、とても大事なことですね。
- では、GUのそのような学びが、普段の働き方、UNIVER-CITY SEND-AIの事業としても、活動としても、地域としても、どのように活かされていると感じておられますか?
具体的には日々の暮らしの中で探求したり、現場に近い人たちの話を聞きに行ったり、体験したりしています。GUで得た学びを、今度は自分たちの生きた言葉で紡ぎ出せるように。
何か一つの物事を一方向に見るというよりも、多方向から見たり、現場に足を運び、地元の方から直接インタビューを聞くなど、日々の現場の生きた学びに活かされているということですね。
はい。普遍的なテーマを持って「わからないけれど、実際に一緒に体験してみよう…」という遊びと学びのサークルのような、ゆるい活動につながっています。
- UC SEND-AIの田中ひとみさんにとって、楽しいことはなんですか?
心ある人たちが集って、分野や立場、地域を超えて、EFLの虹のグラデーションのように繋がってゆくことですね。
EFLモデルはあらゆる分野の方にも当てはまるので、共鳴した人たちの取り組みが互いに良いシゲキになって引き出されてゆきますし、GUの動画を共有することで、「ああ、この方向で良いよね」と訪れた人たちが、より自分のプロジェクトやライフワークに弾みをつけていっているような気がします。
GUの視点に触れることによって、いつも当たり前のように見ていた風景の質が変化したり、ほっとしたり、受け取り方が深くなったり。そのような、プラネタリィな楽しみ方を共有できることは楽しいです。
いいですね。そこでの共創がより深まって、一つのプラットフォームのようになっているように感じます。
- では、UNIVER-CITY SEND-AIとして、どのようなことを慈しんでいますか?
ひとり一人が全く違った経緯を経て出合っているということ。でも、その奥に、世代をこえて、共通した痛みや悲しみ、歓びや希望を抱えているということ。そういったものと出合った時に、「地球でともに生きている」ということを慈しみ深く感じます。
その人が表現しようとしていることを受けとめることができたり、自分の小さな心の声にも耳を傾けてゆきたいですね。引き続き、一呼吸ひと呼吸「生きること」を慈しんでゆきたいと思います。
- UNIVER-CITY SEND-AIにとっての、ライフワークとは何でしょうか?
小さな心の動きをキャッチした時点で、ライフワークの始まりだなぁと感じます。EFLの「充ち足りた生」が中心にあるからそれに気づくことができるし、探求することができる。
UNIVER-CITIESは、地球をキャンパスにいつでも開かれた学びのフィールドですので、学びの視点をプラネタリィな視野でとらえていくと、単に個人の問題だけで収まることはなく、だからこそ本質に向かおうとするエネルギーが湧いてくる。新鮮な気持ちで Life に取り組めるように、学びのセンサーを刷新してゆく。そういったひとつ一つが、ライフワークにつながっていると感じています。